ねじってどうやって造られてるの?

ショップからの重要なお知らせ

ある日のこと。

いつものように、ウェブショップで販売する商品を登録していると、見慣れない文字が目に飛び込んできました。

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AHN?

どうやら、浅井製作所さんが作っていらっしゃる、「超低頭」のねじを表す言葉のようです。
たしかに普通の「低頭」ねじよりも頭の部分がひらっぺたくつぶれている。

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それはいいとして、「AHN」って?材質でもなさそうだし、型番にしても想像がつかないなあ…。
疑問に思ったので、のりさんに聞いてみましたが、わからないみたい。

なんだろうなんだろう、と、もやもや。

そんなところに丁度よく工場見学の予定があり、
まさにこのねじを作っていらっしゃる浅井製作所さんの工場に見学に伺うことに!

「AHN」の謎もさることながら、そもそもねじってどうやって作ってるんだ!?
早苗さんは頭とねじねじが別々に作られていると思っていたそうですが、
私は、ねじの作り方なんてこの23年の人生で一度も考えが及ぶことがなかった!
本当に頭とねじねじを別に作るのかな??

そんなド素人ですので、yukiさんからねじについて基礎の基礎を教えてもらってから工場見学に臨みます。
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ナベねじと皿ねじで、長さの測り方がちょっと違う(※画像)なんて豆知識を得たり、とても勉強になりました。

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そうそう。
よく見る「M3×4」みたいな表記。
yukiさんの授業で知ったのですが、これって太さ×長さを表すのですね~!
「M」は、「mm」という意味で、「M3×4」なら、太さ3mm、長さ4mmのねじというわけです。

などなど、一通りの知識は得ましたが…
うーん、どうやって造られているかについての具体的なイメージまではなかなか湧かず。

そうこうしているうちに、工場見学の日。

大きな「ねじや」の幕が映える工場、これが浅井製作所さんの工場です。
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工場内の様子は窓からも見ることができます。こっそり。
(当社スタッフ川上さん家の2人の子どもは大はしゃぎw)
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工場の中に潜入です。
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中にはたくさんの機械たち。ものすごい音をたてながら、ごんごろごんごろと稼動しています。
工場内は、いかにも工場らしい油のにおいが漂ってます。

社長の浅井さんじきじきに、実際に稼動している機械を前に臨場感あふれる説明を頂きます。

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さて、

ちょっと身の回りを見渡して、「ねじ」を探してみてください。
きっと、すぐ見つかるはずです。それくらいねじは生活に欠かせないものです。
そこで、冒頭の話題に戻ります。
みなさんは「ねじ」がどのように作られているかご存じですか?

予備知識なしではにわかにはイメージがわきづらいのではないでしょうか?

浅井製作所さんでは、このようにねじを作っていらっしゃいます。

まず、材料はこれです。
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この針金のようなものが少しずつ機械に巻き取られて行き、
圧造」という工程を経て「頭」の部分ができあがり、基本的なねじの形になります。

これが圧造をする機械。
とてもメカメカしている…。いかにも工場っぽいです。

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浅井製作所さんの工場では、ダブルヘッダーという方法で圧造していらっしゃいます。
よーく動画を見てください。お分かりいただけますでしょうか?

①針金をカット→打ち込むところへ移動
②まず一回頭を打ち込む(頭だけできた)
③頭の部分を完全に成型するべく金型で打ち込む(頭完成!)

機械の金型を打ち込む部分が上下して、二度針金にアタックすることで、ねじ頭ができあがっています。

金型はこんな感じ。
金型から出来上がりが想像できますね~!
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この工程を経てできたものがこれ。(上の金型からできたものではないですw)
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こんな風に、頭の部分だけが出来上がっているねじ、見たことないですよね?!
頭は立派でも、ねじねじの部分はつるっつるですw

その肝心のねじの部分は今度は「転造」という工程で作ります。

これが転造をする機械。
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転造は、このような「ダイス」というもので、
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ねじをはさみこんですり合わせることにより、圧力をかけてねじ部分を作る方法です。
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転造の様子はこちら。
ダイスとダイスがねじを高速でぐりっぐりっとすり合わせています。

ちなみに、転造はものすごい圧力でねじが摩擦されるため、出来立てのねじがアッツアツ
うかつに触るとやけどしちゃうくらいの熱を持っています。
よくお菓子などの工場見学をTVで観ていると、「出来立ての○○はあったかくて美味しい!」みたいな流れがありますが、
ねじだって、出来立てはアツい!(たぶん美味しくはない…)

基本的には、この二つの工程でねじの成型が完了します。
この工程は変わらず、はじめの針金の素材が変わったり、金型が変わったりして、様々な種類のねじが出来上がります。
削ったりして成型しているわけではないため、圧造、転造を経てもねじの体積は一切変わっていません。

ただし、「タッピンねじ」の中で、この工程に加えてカッターで先端を切る工程を要するものもあります。
(この工程ではねじの体積が変わります)

ねじが繰り出される様子、見ていて楽しい♪

と、こんな風にねじは作られるのですね~。
思ったよりシンプルな工程ですが、そのシンプルな工程で作り出されるねじは千差万別。

工場にあった機械には、「昭和44年」の文字が。
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その頃から、今の製造方法が確立されていて、変わっていないということです。
ごんごろごんごろと、ずーっとこうしてねじは造られてきたんだなあ。
シンプルな工程が長年繰り返される中で、需要にあわせて金型などを工夫して新しいねじが生まれたんですね。

最後には、工場から移って「ねじ狩り」をさせていただきましたw

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素材、形、大きさ、様々なねじがたっくさんあります!

私が一番すごいと思ったのはこのねじ。
わかりますか?
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閉められるけど、開けられないねじです…!
ねじ頭を見て、「おぉ~」と納得。

大人も子供も大興奮で、ねじに夢中w
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そんなこんなしているうちに、思い出しました。

…で、「AHN」って?

満を持して浅井さんに伺うと、

浅井さん「あ~それは、頭(A)が低い(H)ねじ(N)のことです。」

( д) ゚ ゚

思わぬオチがついた工場見学、とてもタメになりました~♪
(工場見学の日から、身の回りのねじが気になるようになりましたw)
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川上家の子どもたちは、ねじの造り方わかったかな~?
浅井製作所

浅井製作所さんのねじ、アールティwebshop、秋葉原の店舗の両方でお取り扱いしております♪♪♪

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ロボットのそこかしこ、是非浅井製作所さんのねじでぐぐっ♥と留めちゃいましょう^^♪



AHN(超低頭ねじ)3-4


低頭平頭小ねじM3×6ニッケルメッキ(50本)


低頭平頭六角穴付小ねじM3×4ステンレス(50本)

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