北陽電機の測域センサに、新製品のプロトタイプが出ました!
今回は、プロトタイプの3D測域センサ(LiDAR)「YLM-X001」に焦点を当て、その特徴とメリットについてご紹介します。
概要
北陽電機のLiDAR製品設計技術と、米国ルモーティブ社のLCM (※1 Light Control Metasurface) 技術を融合した、メカを一切使用しないソリッドステート(※2)3D測域センサです。
従来の機械式のスキャン技術では実現できなかった革新的なアプリケーションを実現するとともに、今後LiDARの利用拡大が見込まれるAGV/ AMR、サービスロボット等のアプリケーションへの適用も可能です。
また本製品はROSに対応しており、移動ロボットの自律移動に関連する3次元センサを使った物体認識や環境認識の研究用途でもご検討頂ける製品となっています。
ご購入を検討される方はぜひ弊社にお問い合わせください。
従来のメカ的機構を有したスキャン方式LiDARと本製品の違い
垂直方向への視野角の広さ
-垂直方向の視野角は90°あるため、設置角度の調整なしで高さ方向に対する障害物検出が可能
設置場所の柔軟性
-設置角度を変更しても検出距離が減衰しないため、より自由な設計が可能
振動環境・長寿命
-メカ的な駆動部がないため、振動に強く、機構部分に関して比較的長寿命
期待される利用シーン
- 建設機械・フォークリフトにおける3次元情報による環境及び物体認識
- 自律走行ロボットの3次元情報による走行面(路面)の環境認識 等
製品特徴・機能
LCM技術を用いた駆動部分を持たない検出方式
ソフトウェア上で検出角度・範囲を変更可能
機械式スキャン方式では柔軟に変更ができなかった、検出角度・時間をユーザーのソフトウェアの設定によりダイナミックに変更することが可能です。
従来の機械式スキャン方式(左図)では、固定の角度を連続的にスキャンしていましたが、YLM-X001(右図)は、ソフトの設定次第で検出角度・時間をダイナミックに変更が可能です。
(例:垂直方向30°をスキャンしていた次の瞬間に、垂直方向90°をスキャンすることが出来ます)
複数の視野(FoV)を同時にスキャン
デジタルスキャンの特徴を活かして、1つのセンサで複数の視野を同時にスキャンできます。
連続もしくは1次的に検出したいものを、ソフトウェア上で目的の対象物ごとに認識が可能になります。
YLM-X001は、図の①②③を同時にスキャン可能です。*
*水平方向の視野角は120°で固定ですが、ソフトの設定次第で、水平方向の視野角を必要な範囲で切り取り、制御するという使い方ができます。
振動環境での使用と機構的な寿命
センサ部分にメカ的機構(駆動部)を使用していないため、振動環境に強く機械式スキャン方式とは異なり故障しにくいのが特長です。
ROS 2対応
ROS 2に対応しており、研究・開発用途でもご検討いただきやすい製品です。
また、ROS 2対応に関するご相談もアールティにて別途承っております。
仕様
検出距離 | 0.1m~10m @反射率10% |
視野角(FoV) | 120°(H)×90°(V) (垂直方向は変更可能) |
距離精度
解像度 |
距離×0.5% (例: 5mで25mm 100,000lx環境下)
QVGA (320 x 240) デフォルト (VGAも可) |
角度分解能 | 0.375°(QVGA) デフォルト (VGAでは0.188°) |
フレームレート | 10Hz 以上 |
インターフェース | Ethernet(1000Base-T) |
各種設定 | Web UI或いはAPIにて制御可能 |
ビューワ動作環境 | Windows 又は Linux |
サイズ | 119 × 79 × 85 (mm) |
その他 | Light Control Metasurface (LCM) 搭載 (Lumotive社開発) |
※本製品はプロトタイプです。
2024年に発売予定の量産モデルでは、プロトタイプと比較し筐体サイズが小型化します。
用語解説
※1 LCM (Light Control Metasurface) 技術
この技術により、マルチパス干渉やセンサ間干渉を低減し、計測の安定性を向上させます。また、環境に左右されず正確なデータを取得できます。
※2 ソリッドステート
従来の3D-LiDARは筒状で、その中でレーザーと検出器を回転させることで360度全方位を観測する機械的回転方式が主流だったが(中略)駆動部をなくすメカレス化が進んでおり、中でも半導体技術や光学技術で機構部を置き換える「ソリッドステート式」が増加している。~回転機構を持たないため、全方位ではなくレーザーの照射角の範囲でのみセンシング可能で検知領域は小さくなるが、小型で壊れにくく、設置場所の自由度が広がるため、複数のセンサーを利用して水平方向360度をカバーする場合が多い。
引用元:自動運転LAB
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