開発者版のPepperが来ました。
申し込んでからはや○ヶ月、長かったなぁ…。
Pepperはこういう箱に入ってやってきます。
開梱の儀。
プロとして、きちんと安全講習会を実施。これは大事なことです。
自分の身を守れないものは他人の身を守ることはできません。
プロとして、またロボットを作る、運用する者として、安全をきちんと守れる訓練は必須です。
Pepperクラスになると、一般の使用者とちがって、開発者はどんなことが起こるかわからない危険性と隣りあわせだと言うことを肝に銘じて接して欲しい大きさですね。
ちょっと荒いけど、講習等で参考にできそうなところを書いてみます。
最低限やること
- 基本中の基本:マニュアルを確認する
たいていの場合、マニュアルの最初は「安全について」になっています。きちんと最後まで読みましょう。
最低限、チェックすべきは「緊急停止の仕方」「緊急停止時、および解除時に何が起こるのか」です。
緊急停止時は突然動き出したり、電源が切れて倒れたり、いろんなことが想定されます。
Pepperには「緊急停止時/解除時に何が起こるのか」が書いてありません。ロボットなれしてない方がどうするのか、ちょっと心配です。今度メーカーに聞いておきます。 - ひも状のものを回りにおかない
電源ケーブルは充電が終わったら必ず抜きましょう。思わぬ怪我の元です。
洋服もひらひらしたものはだめです。巻き込まれます。手袋、マフラー、ズボンにしまってないシャツ、スカート、エプロン、だめです。
- どうやったら安全な場になるかを考えて、確保する。
まずは、ロボットの動く範囲を確認する。Pepperなどの場合は腕を広げた範囲と倒れたときの大きさを最低範囲と思えばよいです。
Pepperは意外とスピードが速いのですが、バランスも悪いので、うまく動作作らないと倒れますから、激突はあまり心配しなくても大丈夫ですが、開発者は思わぬ動作をすることになる場面が多いので、できるだけ離れます。
作業としては、ロボットと壁の間に入って作業するようなことをしないのは大前提です。
大学なんかでよく見かけますが、ロボットを前において、壁にもたれて地べたにべったり座って開発とかやったらだめです。また、逃げ場を必ず作ってください。
もう一つポイントとしては、一人で動作作成をやらない。これ、意外と知られてないですが、プロは基本にしてほしいことです。一人が何かあっても、助けにも行けますし、これほど大きくなると一人でモーション作るのは実は不可能に近いです。
動作させるときは必ず「どこどこ動かします!」と誰も聞いてなくても、独り言のように思えても、大きな声で回りに知らせること。これで防げるひやりはっと事故はけっこうあります。
- 緊急停止ボタンの位置確認
位置を確認するだけでなく、押し具合も確認。
周囲に声をかけながら動作することを訓練。
実地訓練でやってもらいましたが、これは何度いわれても、声を出さない、返事があってから動く、ができないスタッフたち。訓練してないと声でないんですよねー。ということで今後何回か訓練をやることを心の中に誓いました。(どのくらいの頻度でやるとよいかはちょっと実験だな。)
ちなみに、人型ロボットにおいて、ほとんどの場合、ほんとの緊急時には緊急ボタンなんて押せません。(実体験) -
ロボットは壊れても直せますが、人間の怪我は直せませんので、ロボットから逃げる、これが一番です。
でもこれも訓練してないとできません。科学館でも何十人のスタッフにも指導してきましたが、思わず手が出てしまうのが人間のようです。
- 各部の名称と動き方の確認
これは実はロボット屋だからできる訓練なので、一般の方には難しいかも。
どこがはずれるのか、どこが手を怪我しやすいか、どこを触れば安全か。一つ一つ教えました。
うちのPepperは、POSレジ業務ができるようになったら、ロボットアイルに配属です。
もうほとんどプログラムはできてるので、実機でしかできないモーションの確認とか細かいところの詰めをやってます。
皆さん、よろしくね!
NAOは絶賛発売中。
Pepperをアールティで販売できるようになるのはもうちょっと先かな?