こんにちは、satoです。日本時間の2019年6月24日のお昼過ぎにRaspberry Pi 4 Model Bが発表されましたね!
弊社でもRaspberry Piを組み込んだロボットを発売していますので、新しいRaspberry Piとなれば気になる話題です。今回は
- Raspberry Pi 4の新機能
- Raspberry Pi 4 Model BとRaspberry Pi 3 Model B+とスペック上の違い
- ラズベリーパイ財団のサイトに載っていたFAQの日本語版
の3つについてまとめてみます。
正確な情報については公式サイトをご確認ください 。
以下がラズベリーパイ財団のブログの該当エントリです。
Raspberry Pi 4の新機能
個人的に注目したい新機能は以下の7点です。
- CPUのパフォーマンスがおよそ3倍に向上
- メモリが1GB, 2GB, 4GBから選択可能に
- イーサネットポートがフルスループットのギガビットに対応
- 今までは内部でUSB経由で接続されていて速度に制限がありました
- デュアルバンド802.11acワイヤレスネットワークに対応
- USB 3.0ポートを搭載
- USB 3.0ポートが2つ、USB 2.0ポートが2つ搭載されているようです
- 4Kまでのデュアルモニタをサポート
- 従来のVideoCore IVでは対応していなかったH.265/HEVCのハードウェアコーデックに対応し、4Kp60の映像出力ができるようになりました
- boot用EEPROM搭載
- ネットワークブートやUSBブートの設定を基板上でSPIで接続されたEEPROMから読み出すようになりました
もちろん、従来のRaspberry Piとの互換性(ここではRaspberry PiのGPIOやカメラインターフェースのことだと思います)も維持されているようです。
ただ、RJ45ポートやUSBポートについては位置が変わっており、そのほかいくつかのコネクタは位置と形状が変更されています。以前までのケースは流用できないものも出てくるようですが、公式でケースが販売されています。
Raspberry Piの基板の穴位置やピンヘッダの位置については変更はなさそうです。以下のページから大きさ等のメカニカル情報を入手できます。
新しいSoCのBCM2711B0のベンチマークはこちらのページに詳しくまとめられています。
Raspberry Pi 4 Model BとRaspberry Pi 3 Model B+とスペック上の違い
ウェブ上の情報を集めていて気になった機能について比較表を作成しました。この表については以下の2ページを参照して作成しています。
- https://www.raspberrypi.org/products/raspberry-pi-4-model-b/specifications/
- https://www.raspberrypi.org/products/raspberry-pi-3-model-b-plus/
3B+ | 4B | |
SoC | Broadcom BCM2837B0 | Broadcom BCM2711 |
CPU | Cortex-A53 (ARMv8) 64bit @1.4GHz | Cortex-A72 (ARM v8) 64bit @1.5GHz |
GPU | VideoCore IV 32bit @400MHz | VideoCore VI 32bit @500MHz |
メモリ | 1GB LPDDR2 SDRAM | LPDDR4-2400 SDRAM(1GB, 2GB, 4GBから選択可 ) |
無線LAN | 2.4GHz and 5GHz IEEE 802.11b/g/n/ac | 2.4 GHz and 5.0 GHz IEEE 802.11b/g/n/ac (※1) |
Bluetooth | Bluetooth 4.2(BLE対応) | Bluetooth 5.0(BLE対応) |
イーサネット | Gigabit Ethernet over USB 2.0 (最大スループット300 Mbps) | Gigabit Ethernet |
USBポート | USB 2.0ポート×4 | USB 2.0ポート×2, USB 3.0ポート×2 |
映像出力 | (フルサイズの)HDMIポート | micro-HDMIポート×2 |
ディスプレイインターフェース | MIPI DSI ディスプレイポート | MIPI DSI ディスプレイポート(2レーン分CPUにはあるが、引き出されているのは1レーン分のみ) |
カメラインターフェース | MIPI CSI ディスプレイポート | MIPI CSI ディスプレイポート(2レーン分CPUにはあるが、引き出されているのは1レーン分のみ) |
電源 | 5V/2.5A DC (microUSBまたはGPIOヘッダ経由) | 5V/3.0A DC (USB Type-CまたはGPIOヘッダ経由) (※2) |
注釈
※1 公式サイトにはデュアルバンドで802.11acのみ対応ともとれるような記述が見られますが、Product BriefとMagPiでは802.11b/g/n/acに対応しているという記述が見られます。
※2 公式サイトによると、USBポートでの使用電流が500mA以下になるようにすれば、2.5A電源でも動かすことができるようです。
FAQ
2019年6月24日18:00の時点でラズベリーパイ財団のブログに書かれていた情報について日本語で簡単にまとめました。内容に関しては一部意訳を含みます。また翻訳に際して一部Google翻訳を使用しています。
まだ2020年ではないですよ?
(Raspberry Pi 4は2020年まで出ないという話が通説でした。例えば2019年2月の記事では2019年には発売されないと書かれています。https://www.tomshardware.com/news/raspberry-pi-4-everything-we-know,38539.html)
以前は、2020年をRaspberry Pi 4のリリース予定日としていました。BCM2711の開発は4つ目のリビジョン(A0, B0, C0, C1と続くうちのC1)でリリースできる予定で時間を見積もっていました。参考までにRaspberry Pi 1とZeroではBCM2835C2(A0, B0, C0, C1…と続くうちの5つ目のリビジョン)が製品版となりました。幸いなことにBCM2711では2番目のBCM2711B0が製品版となり、9-12ヶ月程度早くリリースできるようになりました。
従来までのRaspberry Piシリーズは生産中止になりますか?
いいえ。当面は既存の製品を利用したいと思う産業分野の顧客がいます。 要望がある限り、これらのモデルを生産し続けます。 Raspberry Pi 1B +、2B、3B、および3B +は、それぞれ25ドル、35ドル、35ドル、および35ドルで引き続き販売されます。
Model Aはリリースされますか?
これまで、35ドルの製品の一部をModel Aシリーズとして低価格で製造してきました。 2014年のModel 1A +や昨年末のModel 3A +などがあります。現在のところ、Model 4Aの製品を35ドルを大幅に下回る額で販売できるようにするためのよい方法はありません。今後も検討を続けます。
Compute Moduleはリリースされますか?
(組込機器向けにRaspberry Piを搭載するためのモジュールボードで、汎用SO-DIMMコネクタを使って接続します。)
CM1、CM3、CM3 +は引き続き利用可能です。 Raspberry Pi 4チップセットをベースにしたCompute Module製品を提供するためのオプションを検討しています。
VideoCoreは使用していますか?
(VideoCoreは従来までのRaspberry Piシリーズに搭載されていたGPUで、Raspberry Pi 4のGPUも同じものを使用しているかどうかについてです。)
はい。 VideoCore 3Dは、ARMベースのSoC向けにドキュメント化された3Dグラフィックスコアです。RaspberryPiをもっとオープンにしていくことを望んでいます。
おわりに
Raspberry Pi 4が発表されたので、簡単にではありますが、以下の3つの点についてまとめました。
- Raspberry Pi 4の新機能
- Raspberry Pi 4 Model BとRaspberry Pi 3 Model B+とスペック上の違い
- ラズベリーパイ財団のサイトに載っていたFAQの日本語版
いままでのRaspberry Piよりも便利に使えそうなので新しくロボットに搭載できるのが楽しみです。また新しい情報が入り次第ブログにまとめたいと思います。