ネコとエンジニアの素敵な関係(ネコ店長開発秘話?)

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こんにちは。yukiです。

あけましておめでとうございますと2015年を予測した記事を書いたら占いみたいになってしまったという前のエントリーに続いて、いつの間にかお正月が過ぎ、松の内もあけてました。

長い年末年始、皆様いかがお過ごしでしたか。
今年も楽しいロボットライフをはじめられてることと思います。

さて、皆様ご存知のとおり、うちのネコ店長は、2足歩行ロボットRIC90を身長120cmで仕立てたネコ型ロボットです。
ロボットアイルの延長も決まり、秋葉の顔にもなりつつあり、「なぜアールティのロゴがウサギなのに、ネコなの。」と聞かれるようになりました。

ネコ店長は俺が2011年に作ったとか、スタッフに言いに来るお客さんがいたりするそうなので、最初にお断りしておきますが、ネコ店長は、2009年9月の生まれでアールティで開発しています。

RIC90自体は、富山で使うための兄弟機のエール君の開発依頼がきっかけで開発されたロボットです。
開発話を受けたときに、もともとyukiは、未来館でASIMOを担当していたので、せっかく開発するなら館での運用で不満に思っていた人型ロボットで解消できることはやってみようと開発が始まりました。

欲望と不満点の関係は以下のとおりでした。
*触りたい>「触れたほうが親近感がもっと増すのに、人型ロボットに限らずロボットが触れない」
*もっと気軽に持ち運びたい>「普通のロボットは重くて女性では運べない」
*言われたらすぐに動かして見せてあげたい>「起動するのに時間かかる」
*気軽に外見を変えたい>「外見がかわらないとバージョンアップしたって思ってもらえない」

ネコ店長を作っていたのは2009年6月末から8月にかけてです。
ネコ店長は双葉のRS405CBを使っています。
当時、近藤科学のモータを使う予定だったのが、メーカー生産待ちで手に入らないという理由と新製品を使ってみたいという理由で双葉になりました。のちにこれは着ぐるみを焼かない(これまで一回もサーボが燃えたことが無い)という素敵なシステムとなったわけです。

なぜネコなのか。当時の資料を引っ張り出しながら顛末話を書いてみます。
当然、メカが決まれば外見を何にするか、検討が始められました。(写真は最初のネコ店長のフレーム、左側が頭側)

200908nekotenchoframe

着ぐるみということで、いろいろな外装が考えられるわけです。
実際、ウサギ案もありました。
しかしながら、ウサギはアールティのロゴマーク。

rt_logo

このウサギのロゴには、「不思議の国のアリスを導くウサギのようにロボット業界をリードする会社でありたい」「ウサギは子沢山なので、ロボットをやる人が増えてほしい」「日本が誇るロボットの会社になれるよう日本の国旗と同じく白地に赤」という思いがこめてあります。そんなロゴを背負うロボットがろくに歩かなかったらどうしよう。ウサギなんだから飛び跳ねたい、でも技術的に無理、というのもあり、別の動物ということになりました。

犬とか、熊とか、ネコとかいろいろ候補が上がりました。
ロボット化されても違和感のない動物は何か。人と親和性の高いかんじになる動物は何かと検討を重ねた結果、犬とネコが残ったのですね。

犬とネコ、どっちがいいか、という大議論をしていたときに、早苗(当時はまだ社員じゃなかった。のちにうちの広報担当)が、ネコはマンガとかでも「意外なことをいてもまぁネコだから」とすんなり受け入れられやすい。という話をしてくれました。犬はマンガで書いていても、忠実とかそういうイメージから抜け出せず、意外性というのを出しにくいんだそうです。

それで、ネコに決まったのですね。

次にデザイン。
2足でかわいらしいというのでぱっと思い浮かんだのはドラゴンボールのカリン様でした。
カリン様っぽく、ぽてぽて歩いたらかわいいだろうなぁという妄想が先に走ります。

その当時の動物関連のページを検索して、人になつくネコの色というのを参考にして黒猫が一番穏やかで人懐こいということで、黒猫になったのでした。

このページの上にもイラストで出てますが、これらのイメージから早苗にデザインしてもらったのがネコ店長です。(写真はRIC90を組み立てる当時の川上と中川(範))

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ネコ店長のデザインが出てきて、そういえば、着ぐるみってオリジナルで作ってくれるのか?
というところからはじまり、しかし当時は着ぐるみを頼む先も知らず、結局自分で縫う羽目に。

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まず頭だけ縫ってみた。

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耳つけて…

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全身を縫いました。
手と足の着ぐるみの部分もこのあと作りました。

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完成!

そして、富山デビューに行って、狙い通りのことが起こったのです。(写真は富山に行くために助手席に乗るネコ店長)

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富山のロボット展でデビューしたネコ店長。
かわいらしい外見から、ハグしたい。一緒に写真とりたい。人間入ってるんじゃないの?
足のすそをたくし上げて、ロボットだよって見せる羽目に。
2チャンネルデビューも果たし、「老若男女かまわずハグしている。俺に代われ」みたいなことを書かれるくらいの大人気に。

こうして、ネコ店長のハグはデビューから定番となり、足をロボットだよと見せるために靴はなくなり、今でもロボットの足のままです。

さて、タイトルにどうつながるのか。
エンジニアは新しいアイデアを試したい。
意外なことをやってみたい。
この欲望に駆られないエンジニアっているんでしょうか。

しかも優秀なエンジニアほど忙しいし、疲れてるから癒しがほしいけど、犬を散歩に毎日連れてって世話焼いてやれるほど暇ではないというのが実情。そしてエンジニアの性として意外性を好む深層心理(?)からネコを飼っている人も多いことと思います。

そしてネットにあふれるネコ画像。
FaceBookでもネコ好きをアピールする内容、多いですよね。
ネコで話を書いておけば、ちょっと意外なことだったとしてもすんなり受け入れられるので、ほっこりした話のネタとしてもネコがもてはやされてます。

ネコ店長がネコであるゆえんは、単に社長がネコ型ロボットのドラえもんが理想だと思っているからとかではなく、「ネコというキャラクター」が社会心理学的にどうなのか、ちゃんと考えて受け入れられやすいようにと工夫されまくったロボットなのです。

他にも工夫がいっぱいなのでおいおいまたブログででも話をしてみましょう。

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ほぼほぼネコ店長はJR秋葉原すぐのロボットアイルにいるので、ぜひ会いにきてね。(写真は2014年9月のロボットアイルオープン時のネコ店長)
ネコ店長のtwitterは@nekotenchoです。
twitterよく見たらガチャガチャの話しかしてないな。www

今日はこの辺で。w

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